こちらの記事は、サービスサイトのCVポイントを「ユーザー登録」や「アカウント登録」にしているSaaS関係者向けです。
表題通り、マニアックな内容です。
ユーザー登録の改善は、下記画像の通り「想定効果が高い」×「投下リソースが低い」コスパの高い領域にあたる施策です。
フォーム改善は、早いうちから優先的に取り組んでおきましょう。
本記事では、SaaSのユーザー登録画面をパターン化してまとめています。ここで紹介する以外にもあると思います。参考程度に捉えていただければと。
参考 BtoB企業向けフォーム最適化(EFO)のポイントSpotifyInVisionというデザインツールのユーザー登録画面がこちら。
トップページにある「SIGN UP FREE」というCTAボタンを押すと、こちらのページに遷移します。
Netflixのロゴが見えることからNetflixの関係者が使っているのでしょう。
アカウント登録を検討しているユーザーの背中を押す狙いです。
Netflixだけでなく、Uberバージョンもあります。
このタイプを、権威訴求型のユーザー登録画面、と名付けることにします。
ポップアップ作成ツールの「Poptin」も同じパターンです。
「Poptin」の場合は、ユーザー登録画面にグロースハッカーからのコメントがあることに加え、導入企業のロゴも表示されています。
これも目的は権威付けでしょう。
ここからは僕の憶測ですが、「Poptin」自体、A/Bテストができるツールなので、「Poptin」のユーザー登録画面もA/Bテストを繰り返しているはず。
この仮説から言えば、ユーザー登録画面に「権威性ある人/企業からのコメント」「権威性が出るように導入企業ロゴを表示」させることは、きっと通常より高いCVRを誇るのでしょう。
「メールアドレス入力型」はよくあるケースです。
例えば、プロジェクト管理ツールの「Asana」もその一つ。
入力するのはメールアドレスだけで良い、という必要最低限のパターンです。
ユーザー登録数を増やすことが主要KPIなら、このパターンが良いと思います。
セルフサーブのSaaSによく見られるパターンです。
・「Trello」:ファーストビューにフォーム露出
・「Calendly」:ファーストビューにフォーム露出
・「Slack」:ファーストビューにフォーム露出
日本で言えば、情報共有ツールの「Kibela」が、メールアドレス単一入力型かつファーストビューにフォームを露出するパターンです。
ここでは、便宜上「有効リード獲得型パターン」と呼ぶことにします。
氏名や、メールアドレス、会社名、パスワード、電話番号など4〜5項目くらいを入力するパターンです。
前述したメールアドレス入力型に比べればユーザーの入力コストが高くなるため、一般的にはCV率は下がる傾向にあります。
ただ、例えば電話番号を取得できればユーザー登録後にインサイドセールスもしやすいです。
会社名や部署名を取得できれば、数多くあるリードから優先的にアプローチすべきリードを選定することも可能です。
その意味合いでここでは、有効リード獲得パターンと呼んでいます。
このパターンは日本のSaaSでもよく見るパターンです。
例えば、ヌーラボが提供するプロジェクト管理ツール「backlog」もこのパターン。
また、採用支援ツールの「engage」もこのパターンです。
なお、「engage」はファーストビューにフォームを露出しているパターンでもあります。
ちなみに、フリーミアムの海外SaaSでは「No credit card required」という文言が料金表ページや、ユーザー登録画面に記載されていることがよくあります。
あの文言の目的としては、下記の通りです。
Various studies have shown that trial sign-ups increase when prospects are not required to provide payment information.
※参照:“No Credit Card Required” — Increase Sign-Ups With Cardless Free Trials
要するに、トライアル時点で支払情報を入力する必要がないようにすれば、ユーザー登録率も上がるわけです。そのため、いろんな海外SaaSでは「No credit card required」が記載されています。
ただし、「No credit card required」には注意点もあります。詳細はこちらをご覧ください。
以上、参考になれば幸いです。
参考 サイル金森のBtoBマーケティングSpotify