こんにちは、おすすめSaaS.com(当サイト)運営者の金森です。
BtoB企業向けのセールス・マーケティング支援を専門としております。具体的には、コンセプト設計・プライシング変更など上流のマーケティング戦略立案から、お役立ち資料の企画/制作や展示会のセミナー資料の制作代行まで幅広く行っています。
今回は、BtoBマーケティング(広くはマーケティング)を学ぶために私が実際に読んだ、おすすめの本を紹介します。
・BtoB企業で働くマーケター
・マーケターを目指す営業さんなど非マーケターの方
・マーケティング思考を身に付けたい方
こんな方の参考になると思います。
本記事では書籍の簡単な紹介をしますので、気になる方はぜひ書籍をご覧ください。
マーケティング初心者におすすめの本
困り人
やる気がある人
こんな方に、おすすめの本を紹介します。ここで紹介する本は、BtoBマーケティング初心者でも理解できる書籍です。現在BtoBマーケターとしてガッツリ仕事をしている方には物足りないかもしれません。
永井孝尚『100円のコーラを1000円で売る方法』
この本は、物語で「マーケティング」を知る、小説形式の本です。マーケティング初心者でも重要な理論を理解しやすく、身近な事例も出てくるのでスラスラ読むことができます。例えば下記のような事例が出てきます。
・普通なら100円で購入できるコーラを1000円でも売れる理由
・省エネルックが失敗してクールビズが成功した理由
・キシリトールガムがヒットした理由
※Amazon→『100円のコーラを1000円で売る方法』
マーケターなら知っておきたい、各種マーケティング理論を学習できます。
・製品志向と、市場志向の事業定義
・顧客絶対主義の落とし穴
・顧客満足のメカニズム(顧客が感じた価値ー事前期待値=顧客満足)
・マーケットチャレンジャーとマーケットリーダーの戦略
・バリュープロポジション(顧客が望んでいて、ライバルが提供できない、自社が提供できる価値)
・プロダクトセリングとバリューセリング
・コミュニケーションの戦略的一貫性
・イノベーター理論とキャズム理論
土居健太郎『10年つかえるSEOの基本』
本書は、「SEO」(検索エンジン最適化)の基本をおさえることができる名著(SEOの入門書)です。SEOのトレンドは変わりやすいです。本書はそうしたトレンドの解説ではなく、ずっと変わらない考え方を学ぶことができる本です。
私もWebマーケティングを学び始めた当初、こちらの本を読みました。登場人物2人の会話形式で進む、大変読みやすい本なので、マーケティング初心者や大学生などにもおすすめです。
SEOを学びたいなら、まずはここから。
※Amazon→10年つかえるSEOの基本
ちなみに、世の中にSEO関係の入門本やノウハウ本は数多くありますが、SEOマーケターの多くが「10年つかえるSEOの基本」をおすすめされています。
思考力・アイデアに課題意識を持つ方向け
企画担当
マーケター
マーケターにとって、確かにSEOや広告運用など各種のマーケティング施策に対する知識も重要です。
しかしながらそれ以上に、誰の何を解決し、どんな価値を、いくらで提供するのか、リソース配分はどうするか、など根幹の戦略を思考する力が重要です。
「そもそも、この戦略で良かったのか?」
「常識的にはこれが良いと言われているけど、本当にそうなのか?」
など前提を疑う力や、自身の頭で考える思考力は、マーケターにとって必須のスキルです。 ここでは、思考力を磨きたい方、アイデアが出てこないと悩んでいる方におすすめの本を紹介します。マーケティング戦略の本ではありません。
加藤昌治『考具』
本書は、考えるための道具、すなわち「考具(こうぐ)」について、具体的なフレームワークやツールを約20個紹介している稀有な本です。
※Amazon→考具 ―考えるための道具、持っていますか?
以下、本書より引用いたします。
『考具』はあなたをアイデアに溢れた、企画型の人間にします。『考具』を手にすれば、あなたのアタマとカラダが「アイデアの貯蔵庫」「企画の工場」に変わります。
引用:加藤昌治『考具』
評判など詳細はこちら。
安宅和人『イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」』
言わずと知れた名著です。若手ビジネスパーソンには、とにかく読んで欲しい本です。私ももっと早くから読んでおけば良かったと何度も思います。
※Amazon→イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」
音声配信サービスの「オーディオブック」でも「イシューからはじめよ」は聴くことが可能です。
本書ほどの名著であれば、何度も読んでおきたいです。ただ、二回読むのはちょっと…そんな方にはオーディオブックで何回も聴くのがおすすめです。
木村尚義『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』
本書は、「ラテラルシンキング」の入門書です。
ラテラルシンキングとは何でしょうか。本書では、ロジカルシンキングと対比しつつ、下記のように説明されています。
・ロジカルシンキング:物事を順番に積み上げながら、筋道立てて正解を導いていく。基本的に解答は一つ
・ラテラルシンキング:解決策を導くための順番や過程は問題にならない。思考の幅を広げる考え方。唯一の正解はなく、たくさんの解答がある
本書では、基本的な解説からラテラルシンキングの問題解決事例や、思考訓練方法を紹介しています。
私が普段仕事をする中で尊敬する方は「ロジカルシンキング」が備わっているだけでなく、成果の出そうな面白いアイデアをどんどん思いつきます。「その戦略/施策は面白い!成果が出そうだ!」と話を聞いているだけで楽しいです。
おそらく「ラテラルシンキング」のような思考法が身についているのでしょう。
シンプルに、どんどん読み進めてしまうほど面白い。おすすめです。
※Amazon→ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門
ちなみに、「ロジカルシンキング」関連の本であれば、『ロジカル・プレゼンテーション ― 自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」』がおすすめです!ぜひ、どちらも読んでみてはいかがでしょうか?
特に若手の方こそ是非!
実践的なマーケティングのノウハウが学べる本
マーケター
次に、実践的ノウハウが紹介されている本を紹介します。日々の業務に直結する系の本です。
ノウハウはインプットしたら、アウトプットしてこそ初めて価値があります。ぜひインプットしたものはガンガン、活用してみてください。ただし、ノウハウを活用したからと言って、すぐに成果が出る短期施策とそうでない施策があることにご注意ください。
例えば、コンテンツマーケティングの施策は最低半年から1年以上しっかり注力してやり切らないと、成果は得られません。(成功した際の効果は大きいですが、難易度は高い施策です)
栗原康太『事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践』
BtoB営業・マーケティング支援をする株式会社才流の栗原康太氏による著書。
BtoBマーケティングの実践ノウハウを手に入れることができる本です。
おすすめです!
書評ツイートを載せておきます!
栗原康太『BtoBマーケティング虎の巻(MarkeZine Digital First) ツール・手法を導入する前にすべきこと』
本書は、10年以上BtoBマーケティングに携わってきた著者が、ツールや手法を導入する前に必ず整理しておきたい要点を解説した本です。
戦略策定~施策実行におけるつまずきがちなポイントを、重点的に取り上げています。BtoBマーケティングに関わる方ならきっと役立つと思います。是非読んでみてください。
※Amazon→BtoBマーケティング虎の巻(MarkeZine Digital First) ツール・手法を導入する前にすべきこと
福田康隆『THE MODEL-マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス』
2019年、BtoBマーケター界隈で話題になった本の一つ、『THE MODEL』です。
自社組織、あるいはクライアントの組織が「THE MODEL」的な体制かどうかはさておき、BtoBマーケティング担当になったのであれば、一度は読んでおきたい本です。なお、必ずしも全ての組織が「THE MODEL」的な体制をとるべきではありません。しかしながら、これだけ注目を集めた概念自体を理解しておいて損はありません。
※Amazon→THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス
相原祐樹『現役LPO会社社長から学ぶコンバージョンを獲るランディングページ』
著者の相原祐樹さんは、LPに特化した株式会社free web hopeの経営者。同社は、BtoBからBtoCまで幅広い業種のLPを年間100本以上制作する会社です。この本は、LPO(ランディングページ最適化)をメインテーマに、Webマーケティングのノウハウが詰まった本です。Webサイト・LP担当者の方は必見です。
評判など詳細は、こちらからチェックしてください。
※Amazon→現役LPO会社社長から学ぶ コンバージョンを獲る ランディングページ
なお、相原祐樹さんが執筆されている下記記事も大変参考になります。
参考 【保存版】ソーシャル時代のLP戦略〜考え方から応用まで〜 株式会社Shirofune|インハウスマーケティングラボジョセフ・シュガーマン『シュガーマンのマーケティング30の法則』
著名な「伝説のダイレクト・マーケター」であるジョセフ・シュガーマンが書いたマーケティング本。同氏が長年にわたるダイレクト・マーケティング人生の中で身に付けた心理学を人的販売(セールス・マーケティング)に応用して編み出した、30の心理的トリガーを紹介しています。
※Amazon→シュガーマンのマーケティング30の法則
心理的トリガー(引き金):お客の心に働きかけ、心を動かし、購入を決めさせるもの
30あるうちの心理的トリガーを5つ紹介します。
- 一貫性の原理
- 適切なアピールポイント
- 顧客の特徴
- 欠点の告知
- 抵抗感の克服
詳細は本書をご確認ください。心理学を応用した実践的なノウハウを知りたい方には特におすすめです。ユーモアある文章なので、マーケティング初心者でもスラスラ読めるはずです。
別の本ですが、神田昌典『口コミ伝染病』も面白かったです。これだけ口コミに関してフォーカスを当てた本はそうありません。顧客が口コミとして、しゃべりたくなる感情の引き金を解説したり、口コミ・ポジショニング分析法という独自のチャートも面白いです。
口コミ・ポジショニング分析法に関しては、こちらのnoteでも詳しく紹介されています。
ジョン・ケープルズ『ザ・コピーライティング――心の琴線にふれる言葉の法則』
メンタリストのDaiGoさんも推薦している本書。とてもボリューミーな本ですが、事例やノウハウがたくさん書かれているので、興味深く拝見することができます。
特に、コンテンツメイカー(コンテンツを作る)の人にはぜひおすすめしたい本です。具体的には、SEOやコンテンツマーケティング担当、セミナー担当(セミナーのコンテンツを企画)、広告運用者(広告文などのクリエイティブを企画)、メールマーケティング担当などなど。
※Amazon→ザ・コピーライティング――心の琴線にふれる言葉の法則
クリス・スミス『成約のコード – デジタルツールと営業現場を連動する最強ノウハウ』
成約のコード(コンバージョンコード)とはインターネットで見込み客を獲得し、高い成約率を実現する手法のこと。
本書は、コンバージョンを獲得するための手法、例えばFacebook広告の使い方など、実践的な使い方を解説していることが特徴的な本です。
評判など詳細は下記をご覧ください。
※Amazon→成約のコード デジタルツールと営業現場を連動する最強ノウハウ
番外編(経営関連・営業関連)
事業家bot『金儲けのレシピ』
この本、めちゃくちゃ面白いです。
情報商材ぽいタイトルですが、本書に書かれていることはビジネスパーソンなら読んでおきたい内容だと思います。綺麗事ではなく、なるほどと思える内容が盛り沢山です。
かつ、分量が少なめなので積読にならないのも、おすすめポイントです。
最近読んだ本の中ではダントツで人にお勧めしたい本です。
宋世羅『ヨイショする営業マンは全員アホ 1%だけが知っている禁断の法則』
元・野村証券、現在は保険営業やYouTuberをされている方の本です。
この本もめちゃくちゃ面白いです。学びもある&コミカルで笑える。
私が読んだことのある、営業にまつわる本は、綺麗事が書かれているだけでつまらないと思っておりました。一方、本書は綺麗事抜きで泥臭い営業のリアルが書かれています。実践テクニックも豊富に説明されていますし、とにかく面白い本です。マーケターの方も、ぜひ読んでみてください。